読字障害児の指導に光明 !! ITとの連携が可能にした、画期的な指導モデルとは

2017.08.20

読字障害児の指導に光明 !! ITとの連携が可能にした、画期的な指導モデルとは

読字障害児の指導に光明 !! ITとの連携が可能にした、画期的な指導モデルとは



宇都宮大学大学院准教授の原田浩司さんは読字障害児の読みの問題点を具体的に解説。
これまでの指導法のズレを明らかにするとともに、読みの改善に目覚ましい効果を
発揮した新しい指導法を紹介してくれました。





8月5日に開催された特別非営利活動法人KNOWSの全国大会で、間違いなく教育現場での光明となる、まったく新しい画期的な指導モデルが紹介されました。
宇都宮大学大学院准教授 原田浩司さんと、筑波大学附属視覚特別支援学校講師 村山慎二郎さんによる、読字障害を持つ児童の指導法についての発表です。

読字障害(ディスレクシア)とは学習障害の一つで、知的発達には問題がないけれど、文字を読むこと、音読することが困難というものです。原因として中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されており、欧米では10〜20%の人が、この障害を抱えていると言われています。
ハリウッドスターのトム・クルーズが、読字障害を持っていることを自ら告白し、世界的に認知が高まったことでも知られていますが、まだまだ一般の認知も理解も十分ではありません。

原田さんは、「これまでは教科書を繰り返し音読させる指導がなされてきたが、読字障害児は読みが改善されないため読書嫌いとなり、語彙の獲得や読解力に大きな課題を残し、知能には全然問題がないにもかかわらず結果的に学力低下になる」と、その問題を提示。障害を持つ子供たちに読書への興味と楽しさを獲得してもらうための指導モデルとした、「MIM(Multilayer Instruction Model)」を活用・普及し児童の読みの問題点を明らかにする活動をしています。

その指導モデルに、さらに画期的かつ力強い貢献を果たしたのが、村山さんが開発したシステム。村山さんは、ITを利用したさまざまな障害者への支援や研究を続けているエンジニアです。そのシステム「よもーヨ」を使って読字障害児童の読書時の「文字列ごとの読みと解答の時間」および「読みと解答時の視線移動データ」を収集・解析することで、問題が具体的にどこにあるかが明確化されるだけでなく、一人ひとりに対応した課題点や指導ポイントも明らかになったのです。

実際にMIMの指導実践により、読字障害児童の音読力が1年で倍近くまで向上したというデータも発表され、お二人の活動がもたらす意義の大きさに、会場の誰もが感動しました。
「読書時の正確なデータが取れるので、親御さんに障害の説明するときにも役立ててもらえます」という村山さんの言葉を受け、一人の参加者から「私は小学校教師をしていて、ちょうど読字障害児の指導にあたっているのですが、親御さんに理解してもらうのが本当に難しいんです。今日はすごい情報をいただけました。あとで詳しいお話をうかがいたいです」との発言も。

KNOWSは、子供たちの未来と教育に問題意識と志を持ったメンバーが活動するNPO法人。全国の教育関係者をはじめ、ビジネスパーソンや主婦まで、垣根を越えた人々が集い、これからの教育について真剣に取り組んでいます。
毎年開催される全国大会では、各地のメンバーが一堂に会し、それぞれの現場での積極的な取り組みや、新しい挑戦についての発表と意見交換が行われます。
今年の全国大会でも、価値あるアイデアを自らの現場でも活用しようという意欲がそこここで見受けられ、社会的に意義のある提案が加速的に広がっていくパワーを感じることができました。